| 南大菩薩連嶺縦走探検記 | |
| 山梨県・ハイキング |
| 期日 | 平成13年6月17日 |
| 参加者 |
横田和章…私 岡崎掘少尉…友人(仮名) |
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難関なのは、残る小金沢山・牛奥ノ雁ガ腹摺山、大蔵高丸・ハマイバ丸、 滝子山・笹子雁ガ腹摺山の3景6山である。これらの山は、 「南大菩薩連嶺」と呼ばれ、一直線に並んだ稜線上にある。 だから一つ一つ登るよりも、一度に縦走してしまいたいところなのだが、 それだとかなりの健脚向けのロングコースになってしまう。 通常は一泊で臨むというのが常道である。
そこで今回はこのロングコースの南側の半分、
滝子山、ハマイバ丸・大蔵高丸の2景3山にチャレンジする。
帰りは湯ノ沢峠から甲斐大和駅方面へ降りるコースを設定。
このコースは半分とは言っても、
最後の湯ノ沢峠から甲斐大和へ降りる林道が非常に長い。
しかも、コースの一部は立ち入る人が少なく、
笹薮に覆われているとも聞く。
やはり日帰りはかなり厳しい健脚向けのルートである。
リスクは十分承知の上、個人の責任にて挑戦する。
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今回は実は天気さえ良ければ、 小金沢山〜滝子山までの3景5山を一挙に1泊2日で踏破する 「小金沢連嶺縦走大探検記」を考えていた。 メンバーは御岳山以来久々の村田源三郎、岡崎掘少尉と、私の計3人である。 だが、今週の土曜日はどうも天気が悪く、1泊2日の計画はあえなく断念。 土曜日のみ参加の予定だった村田源三郎氏には申し訳ないが、 今回は岡崎掘少尉氏と2人で南大菩薩連嶺日曜日帰り探検となった次第である。
掘少尉氏と会うのは宮本日出男の結婚式以来だ。 高尾駅で久々に出会った彼は、変わりなく元気そう。 だが本人に言わせると、 現在質量増加中なのだそうだ。 結婚直後にいかにもありがちなパターンである。 いろいろと仲間の消息などの話をしながら、 笹子駅まであっという間の時間を過ごす。
笹子駅で電車を降りたのは7:10。
さすがにこの時刻にこの駅で降りる人は少ない。
というのも、この駅はは滝子山、
清八山、笹子雁ガ腹摺山のアプローチに使われる駅であるのだが、
これからどの山に登っても、
山頂でお昼を食べるにはちょっと早すぎる。
だが、それよりずっと先にある湯ノ沢峠を目指す我々には、
これでもギリギリなのである。
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だが、Webで良く調べると、更に第3のルートがあるらしい。 そのルートは「寂しょう尾根(じゃくしょうおね)」と呼ばれ、 笹子駅から真っ直ぐ滝子山山頂を目指す最短距離のルートなのだそうだ。 ただし最短距離=最短時間では必ずしもない。 しかし、そんなことを知らない我々は、今回はこのルートを選択。
登山口までの道は、ズミ沢沿いのルートと途中まで一緒。 笹子駅から国道20号を15分ほど東京方面へ向けて歩くと、 途中に「滝子山」を示す標識があり、その標識に従い左折。 謎の池の跡を示す看板に首をかしげつつ、 線路の下をくぐり突き当たりを今度は右折する。 今日は霧が出ていて山の姿ははっきりとは望めない。 それでも雲には少し隙間もあって、わずかに日ざしもある。 運良く富士山が見えることを祈り、民家の間の道を歩いてゆく。
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岡崎掘少尉氏によればその靴は、御岳山以来3年も履いていなかったらしい。 その間にゴムが劣化してしまっていたようで、いきなりソールが剥げた模様。 良く見れば、左の靴の方も裂け目ができていて、このままでは時間の問題である。 ううむ、どうしよう…。 しかし、ここへ来てあまりにもタイムリーに靴底がはげるなんて、 いったいこれはどういうことなんだ? まるで探検記を面白くするために誰かが工作したとでもいうような、 絵に描いたようなハプニングである。 むむむ。
こうなるともはや、悩むよりも笑いが込み上げてくる。
「これから靴を買いに行くか!?」とか冗談を飛ばす。
実は今日はちょっとマイナーなルートを歩くということで、
赤いビニールテープを持って来ている。
そこで、試しにそのテープを取り出し、ぐるぐる巻きにソールを固定してみる。
もちろん今にもソールが剥げそうな左足も一緒に。
すると、岡崎掘少尉氏はすっかり赤い靴の男の子である。
もうこれは写真を撮らずにはいられないというものだ!
笑いながら立ち上がってみれば「うーん、フィット感が増したかも?」
とのこと。とりあえずこのまま行ける所まで行ってみることにしよう。
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神社の手前の看板に従い左折すると、道は何度か曲がりながら高速道路を超える。 すると道は大鹿川沿いに続いていて、橋を超えた所に「トモローランド共和国」 を示す看板が立っている。寂しょう尾根へはここで右折する。 しばらく進んだ所に「寂しょう苑」という小さな小屋があり、 そこについに登山口がある。
ここからはいよいよ山道である。 ここはややマイナーなルートと聞いていたのだが、 確かに少しは草が覆っている場所もあるものの、 ずっとヒノキの林の下に明瞭な道が続いている。 赤テープは少ないけれど、特に迷うようなこともなくズンズン進んでゆく。 だが、この最初の部分が結構急で辛い。 何しろ今日は長い道のりなので、こんなところでいきなり無理する訳にはいかない。 ペースを落として体力を温存する。 すると、前方から「ガサガサ」という音がしてきて、 いきなりマウンテンバイクのお兄さんが登場。 よくこんな急坂を降りられるものだ。恐るべしマウンテンバイカー。
掘少尉氏の靴はあまり状況は良くないものの、なんとか滝子山までは持ちそうな雰囲気。 すると、道はしばらくして林道に到達。 次はどう進むのだろうと少し見回すと、 そこから20mほど林道を下った所に上へ登るロープを発見。 ロープにつかまって更に進む。 するとここからは自転車の轍はなく、少し足跡が減った模様。 さっきのお兄さんは林道を下ってきたのだろうか。
そこからは急坂になったり平坦になったりを繰り返し、 やがて道は稜線に飛び出す。 いつの間にか周囲はミズナラなどに囲まれた気持ちの良い広葉樹林に変わっている。 しかも時には松やブナの巨樹が並んでいたりして、 林の中ながら変化のある風景。しかも、今日は足元にたくさんのキノコを見つける。 なんとその中には、明らかに高級キノコの「舞茸」と思えるものもあった。 だが、それが確かに舞茸であろうと思いつつも、 やはり我々には採って食べるだけの自信がない。 「それが仮に一本5000円もする松茸だと99%の自信があったとしても、 1%外れる可能性を考えれば結局はデパートで買って食べた方が安いよね。」 そう話しつつ、撮って帰るのは写真だけにしておく。 やっぱりキノコは図鑑で見た程度の知識では危険だ。 誰か教えてくれないかなぁ。 ちなみに後に知ったことだが、このキノコはハナビラタケ、 別名カラマツマイタケという。 キノコの少ないこの時期に生える、大変おいしいキノコとして知られているそうだ。
道は高度を上げてゆくと、やがて岩だらけの尾根になってゆく。 この岩はどうも安山岩のようだ。つまり、滝子山は火山なのだろうか。 岩の上では踏み跡はわかりにくく、途中間違ってしまいそうな場所もある。 そんな場所でも、道は基本的に稜線を忠実にたどっている。 良く見れば赤や黄色のテープがあったり、 ペイントがあったりするのだがカスレていて少しわかりにくい。 時には落ちたら死んでしまうような片側断崖の場所もあるが、 木の根など掴まるところは豊富なので、 それらをしっかりとつかんでゆけば問題ない。 でも枯れ木には要注意だ。 ここまで急だと、登るのは良いけど下るのはとても無理。 この道はズバリ登り専用である。
こうして岩だらけの尾根と長時間格闘。
やがて道は何度かピークのような場所に出る。
真っ赤に咲いた山ツツジが美しい。
でもピークの上に出てみれば、その先にもっと高いピークが見えてがっかり。
これを繰り返すと、最後に3つの大きなピークが登場。
確か滝子山は下から見ると3つのピークに見えるとのことだった。
いよいよ山頂なのだろうか。
果たして3つ目のピークからは、おばさんらしい声が聞こえる。
こうしてついに滝子山山頂へ到達。
なんとスタートから3時間40分も経過している。
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山頂には既に3グループほどの人がいる。 話を聞けば、笹子駅から来たと語るお兄さんは我々より後の電車でやって来て、 我々よりも早く着いた模様。 初狩駅からのグループも、駅から3時間半だったという。 つまり寂しょう尾根ルートは最短距離のルートではあるものの、 同時に最長時間のルートでもあったということだ。まぁ景色の変化も楽しめたし、 3つのピークの全てをまわることもできた。 なかなか面白いルートであったことは確か。
ここで注目を集めるのは岡崎掘少尉氏の赤い靴である。
「ソールがとれちゃったんですね。」
と話すお兄さんによれば、
接着剤でくっつけているような靴は、
こうして3・4年ぐらいで底が剥げてしまうものらしい。
おばさんは「縦走にはそういう靴は向かないから、
こういう靴にしなさいっていわれたのよ。」と話す。
見るとおばさんの靴は、ちゃんと縫ってある皮の靴である。
そうだったのか。
これで下っても十分な充実感を得られるところだが、 今日はまだまだ序の口である。むしろここからが今日のメイン。 次の大谷ヶ丸山頂は、ここよりも更に50m高い場所にある。 そこへ向けて、更に歩き始める。
大谷ヶ丸への分岐は、滝子山から初狩駅側へ少し降りたところにあった。 分岐からは道は一気に下ってゆき、 その途中に「白縫神社」と書かれた祠がある。 下調べではこの山には水場はないと思っていたのだが、 その祠の下に水が出ている場所がある。試しに飲んでみると、 思いのほか冷たくておいしい。やっぱり山で水場はありがたい。
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大谷ヶ丸山頂は林に囲まれた場所で展望は北西側に少しあるだけ。
山頂には数グループの人がいて、景色を見つめたりしている。
「温泉に入って帰ろう」とかなんとか話している人々は、
曲沢峠の方へ降りてゆく模様。
そちらの踏み跡が一番しっかりしている。
ハマイバ丸方面へ進む人はかなり少ないようである。
だが、いつの間にか大谷ヶ丸へ着いていたという事実に基づき、
今の我々には少し自信も湧いてきていた。
時刻はまだ12:30頃である。この分なら、
かなりゆっくり歩いても湯ノ沢峠へ16:00には到達できるだろう。
心配なのは、というより笑ってしまうのは岡崎掘少尉の靴だが、
「だんだんソールがずれてくるんだけど」と笑いながら話しているのを見れば、
まだ余裕はありそうだ。
そこで、決意を込めてハマイバ丸へと歩き出す。
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結局、我々が歩いて来た道から分岐している踏み跡が正解。 その道はすぐに急激な坂を下ってゆく。 次のハマイバ丸は、この大谷ヶ丸より更に100mも高い。 つまり、こうして下れば、それ以上に登る必要があるということ。 ああ下りたくねーと叫びながら、ゆっくり降りてゆく。 途中で自転車を担いで登ってくる団体さんに出会う。 でもこの団体さん、とてもマナーが良い。彼らは登りなのに、 我々を見るや、すぐに立ち止まり道をゆずってくれる。 でも辛そうである。
道は下りきると「米背負峠」という場所に到達。 ここからも大和村方面へ道が分岐している模様。 この道を歩いていて思ったのだが、実は地図に描かれている他にも、 この稜線から甲斐大和方面へ降りる道は結構たくさんあるようだ。 但し、踏み跡はどれも曖昧なのでご注意を。
米背負峠からは、やっぱり恐れていた登りである。 それも結構厳しい登り。 この道は結構平坦だと思っていたのだが、 実際には2つのピークを超えるアップダウンの激しい道だ。 だが、一つだけラッキーなのは笹薮が刈られていることである。 周囲に生えている笹は背の高さほどもあるが、道は奇麗に刈られている。 それで、体力さえあればとても歩きやすい。はっきり言ってあんまり体力ないけど。
道はやがて時には草原のような場所に出る。 その景色は今までの道からは考えられなかったような、静かで美しい風景だ。 自転車軍団以降、誰にも出会わない静かな草原を、ズンズン歩いてゆく。 茂みの中から聞こえてくる鳥の声が耳にやさしい。 時折道端を真っ赤に染めているツツジもまた美しい。 久々に見る強い日差しは、ちょっと暑いけど、霧を乗せて下から吹いて来る風は涼しい。 少し暑くなると体力の消耗も激しいので、時々休みながらピークを超えてゆく。 すると、最後に岩原のような場所に出る。 ここまで来ると、いつの間にか岩は花崗岩に変わっている。
どうやらここがハマイバ丸の富士見場所のようだ。 しかしやはり今日は富士山の方向は霧に覆われている模様。 それでも、その丘は視界がとても広く、 山の位置関係が良く分かる。あれは清八山だったのか、 するとあっちは三ツ峠山だな! すると、富士山まであと少しじゃないか。ううむ残念。
そこからはなだらかな道を歩いてすぐにハマイバ丸山頂に到着。
ハマイバ丸は漢字では破魔射場丸と書くらしい。
山頂はとても狭く、展望のない木立の中。
休憩するようなスペースもあまりないのだが、
何しろ誰も来ないので道端にレジャーシートを広げ、ちょっと遅めの昼食とする。
こうして座ってみると、やっぱり岡崎掘少尉氏の赤い靴が笑える。
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更に大蔵高丸へと歩き出す。その道はずっとなだらかで、 今日一番楽な道であった。ほとんど登りも下りもない道をずっと歩き続ける。 草原の中に続く道はとても快適だ。 まるでここがとても高い山の上であることを一瞬忘れさせるような風景が続いている。 こうして無事大蔵高丸へ到着。
そこはとてもなだらかな山頂で、大きな岩がいくつか露出している。 木はほとんどなく、空気が奇麗な日には景色はとても良いと思われる。 でもその日はやはり東側には霧が出ていて、見えるのは西半分だけ。 それでも、こんな山奥の草原で、霧を含んださわやかな風に吹かれながら、 大パノラマを見下ろす気分は格別だ。 いやぁなんてロマンチックな景色なのだろう! でも、隣にいるのはプリティーな女性ではなく、 既にボロボロになった靴を履く岡崎掘少尉氏だったりする。 むむむ…ロマンチックのかけらもなし。
それにしても今日は良くここまで歩いてきたものだ。 あれほど苦労して登った滝子山は1590m。 そこから大谷ヶ丸、ハマイバ丸と更に高度を上げ、 ついに今は標高1781mの大蔵高丸山頂に立っている。 途中であきらめてどこかへ降りてしまう道も考えていた私だが、 なんとかここまでめげずにたどり着くことが出来た。
富士山は見えないけど、
今日は秀麗富岳12景の2景3山を踏破したことになる。
これで私は全12景のうち9景の山頂に立った。
残る難関は足元に続く道の北の先にある小金沢連嶺の2山、
牛奥ノ雁ガ腹摺山と小金沢山だ。
いつかなんとかして到達したいと考えている私である。
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そこからはあとは下るのみである。 私の持っている地図には、そこから湯ノ沢峠まで30分と書かれていたが、 それはちょっと健脚向けの数字だったようだ。 その道は途中何度もかなりきつい急な下りがあり、 あまり急ぐと膝を壊しそう。 道は再びとても太くなっていて、薮のような場所は全くない。 途中には霧に包まれた美しい草原の場所が随所にあり、 ムードは最高である。
そんな道をしばらく歩くと、ついに道は湯ノ沢峠へ到達。 ここからは小金沢連嶺へと続く道と、甲斐大和へ降りる道、 大月へ降りる道が分岐している。 いつか小金沢連嶺へと踏み出す日を想像しながら、 甲斐大和側へ下る。するとすぐに避難小屋と駐車場が現れる。
ここから甲斐大和へは長い道のりである。 その道は、まず林道と徒歩登山道の2つに道が分かれている。 どちらを歩くかは究極の選択だ。 林道の方を歩けば、親切な車が拾ってくれる可能性もあるが、 もしも拾ってもらえなかった場合、より長い道を歩かなければならない。 歩道の方は距離は短いが、車に拾ってもらえる可能性はない。 ただ、歩道の方には水場があるというメリットもある。 そこで、今回は歩道を選択。
水場は非難小屋前の道を下ってすぐの場所にあり、 道端のパイプから水がちょろちょろと流れ出している。 それをペットボトルにいれて飲んでみると、やはり冷たくておいしい。 でも、この場所は下がぬかるんでいて、 岡崎掘少尉氏の赤テープぐるぐる巻きシューズにはダメージがでかそう。 それで私が代わりに笑いながら掘少尉氏の水筒を一杯にする。 やっぱり山で水場はありがたい。
そこから道を下ってゆくと、水場から流れ出していたチョロチョロとした流れは、 みるみるうちに太い沢へと変わってゆく。激しい水音をすぐ隣で聞きながら、 急坂を降りてゆく。この道はやっぱりちょっと長い。ああ、 やっぱり林道を歩いて誰かに拾ってもらえば良かっただろうか?
しばらく歩くと、もう林道が恋しくて仕方がない。 やがて砂防ダムの工事現場のような場所に出て「おっ!ついに林道と合流か?」 と思ったのはヌカ喜び。 こうなると「♪林道〜の花〜びらが〜」と、 ちょっぴり古い歌を歌いながら、合流点へと下ってゆく。
ようやく林道に出ると、今度はアスファルトの道を下る。 するとみるみるうちに足の裏が痛くなる。 だが、お目当ての車はなかなかやって来ない。 やがて通り過ぎた車は山梨ナンバー。 概してこういう場所では地元の人は拾ってくれない。 このあたりを頻繁に往復している人は、 いちいち登山者なんて乗っけていられないのである。 だからねらうは他県ナンバー。
だが、その他県ナンバーの車はなかなか来ない。 2台ほど、通り過ぎる車に、もの惜しげな視線を送ってみたが空振り。 次にやって来た車はなんとタクシーである。 タクシーが拾ってくれる訳はないのであきらめて見送ると、 なんと中には女性の2人連れが乗っていた模様。 む〜! だとすれば湯ノ沢峠でちょっと待って、 相乗りするというのがベストだったということか? あ〜失敗した。
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こうして結局誰にも拾ってもらえないまま1時間半も歩き続け、 ようやく大和天目山温泉へ到着。 ちょうど温泉前のバス停から駅へ向けてバスが出る時刻だが、 そんなことは構っちゃいられない。 アスファルトで痛くなった足を温泉に入って休めるのみ。 ということで早速施設へ入る。
村外からの人は入湯料は通常なら800円。 だが、時刻的にもうすぐおしまいの時刻なので、 美しいお姉さんが村民と同じ400円におまけしてくれる。 ラッキーである。
そこはなかなか奇麗で、露天風呂やジャグジーもある快適な温泉だった。 あれだけの長い道を歩いた後に温泉に入る気分は最高だ。 お湯はちょっとぬるぬるしている感じ。周囲には温泉施設がもう1つあるので、 客は分散しているのか混雑はしていない。 でもあんまりゆっくり浸かるとあっという間にのぼせそう。 それですぐに上がって休憩室へ。 すると、あっという間に寝てしまう。
気がつけばビールを飲み終えた岡崎掘少尉氏が「起きたか」と声をかける。 どうも30分ほど寝ていたらしい。いやぁ快適だった。
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温泉に浸かった後はやっぱり味だ。 温泉で「駅の周囲に何か食べられそうなお店はありますか?」と尋ねると、 さっきの美しいお姉さんが「雅というお店がありますよ。」と教えてくれる。 バスは本数が少ないのでタクシーを呼び、駅へ向かう。 温泉から甲斐大和駅までは2500円程。
そのお店は駅のすぐ前に立っている。 店に入ると、中ではお土産モノも売っている模様。 注文はやっぱりほうとうにしようと思っていた私だが、 ほうとうには3種類ある模様。今回はきのこほうとうを注文。
このきのこほうとう、きのこがたくさん入っていてなかなかおいしい。 ほうとうは普通ゆずなどで香りづけをするものなのだが、 ここのほうとうは香りづけの代わりに山菜を使っている模様。 そのワラビがまたなかなか良い。ほうとうはまじめに作れば、 誰でもおいしく作れる料理。 今日のほうとうはとてもまじめな料理で美味しかった。
こうして長い探検は無事終了。
今日はいきなりアクシデントもあったが、
無事4山縦走を果たし、温泉に入って、ほうとうも食べ、
まるっきりフルコースの楽しい一日だった。
富士山が見られなかったのは残念だが、一度縦走を果たしたことで、
少し自信もついた。
富士山は、いつか湯ノ沢峠からハマイバ丸までを往復で見に来よう。
今日も満足な横田和章氏である。